税務のコト
2016.08.22
こんにちは。
不動産鑑定士の保積です。
前回から広大地の要件の2つ目、「②中高層の集合住宅等の敷地用地ではない」についてお話ししています。
戸建住宅とマンションが混在している地域では判断が難しく、
そんな場合には、専門家である不動産鑑定士の意見が有効であるというお話しをしました。
今回は、もう少し、「②中高層の集合住宅等の敷地用地ではない」について
深く掘り下げていきたいと思います。
マンション用地か戸建用地かを判断する重要な論点になるのが容積率です。
(容積率には、指定容積率と基準容積率があります。
指定容積率とは、その地域の容積率で、都市計画課や市区町村ホームページの
都市計画図などで確認できます。
一方、基準容積率とは、対象物件自体に対する容積率です。)
国税庁の質疑応答事例で、下記のような見解が示されています。
(原則) 指定容積率が300%以上の地域内にある場合には、戸建住宅の敷地用地として利用するよりも中高層の集合住宅等の敷地用地として利用する方が最有効使用と判断される場合が多いことから、原則として「中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているもの」に該当することになります。 |
(例外) |
指定容積率が300%以上であっても、前面道路が狭い場合容積率の異なる用途地域にまたがっている
場合などは、基準容積率が300%未満になる場合があります。
このような場合は、例外として「広大地」の適用を認めるということです。
ですので、容積率、特に基準容積率について十分調査を行う必要があるということです。
具体的には、基準容積率は前面道路が12m未満の場合に次の式により求められた数値(基準容積率)と
指定容積率を比較して、いずれか小さい方を適用するという決まりになっています。
基準容積率=前面道路幅員×容積率低減係数
容積率低減係数は、用途地域ごとに定められています。
用途地域 | 容積率低減係数 |
第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 | 0.4 |
第一種中高層住居専用地域 第二種中高層住居専用地域 第一種住居地域 第二種住居地域 準住居地域 | 0.4 (なお、特定行政庁が指定する区域においては、0.6) |
その他 | 0.6 (なお、特定行政庁が指定する区域においては、0.4又は0.8) |
各特定行政庁(市区町村)によって、容積率低減係数を緩和している場合などもありますので、
前面道路の幅員に乗じる容積率低減係数の値については、
各特定行政庁(市区町村)に確認することが必要です。
所有している土地が広大地に該当するのかどうか、
ご相談いただければ、無料で診断させていただきます。
500㎡を超える土地をお持ちの方はぜひ一度ご連絡ください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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広大地の要件「②中高層の集合住宅等の敷地用地ではない」とは? その1
※本記事は、公開時点での法律、規則等に基づいております。
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ライタープロフィール
不動産鑑定士保積 良介
2011年からFCS不動産鑑定株式会社に勤務、税務・法務・金融・証券化等の評価業務を経て、現在は同社の東京支社長。相続に係わる広大地評価、時価による鑑定評価等、税務に関する評価を得意とする。広大地に関するセミナー実績多数。趣味はバス釣り。
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