法務のコト
2016.09.16
こんにちは
司法書士の内田です。
前回に引き続きテーマは「認知症になる前の相続対策としての任意後見契約について」です。
今回は第11回
「死後の事務委任契約」について紹介していきます。
任意後見契約は本人が死亡した場合は契約も終了しますので、
原則として本人の死後の事務は任意後見人の職務にはなりません。
よって、死後の事務として想定される葬儀、埋葬、永代供養などを
行ってもらうためには任意後見契約とは別に
死後の事務委任契約を締結しておく必要があります。
死後の事務委任契約は、任意後見契約と同一の公正証書に
別個の契約として記載しておくことも可能です。
ただし、任意後見契約法に基づく任意後見契約とは性質が異なるため、
任意後見契約の条項のなかに盛り込むのはあまりよくないとされています。
死後の事務については、任意後見人とは別の者に依頼することもできますが、
任意後見人に依頼するとスムーズに行ってもらうことが期待できます。
また、本人の死後長期にわたる事務については、
受任者が途中で死亡してしまうことも想定されるので、
公益社団法人後見センター等の法人を受任者に指定することを
考えてみてもよいかもしれません。
次回は遺言について解説していきます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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8 認知症になる前の相続対策⑧任意後見契約に関連する契約や制度
9 認知症になる前の相続対策⑨財産管理等委任契約について
※本記事は、公開時点での法律、規則等に基づいております。
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ライタープロフィール
司法書士内田 一輝
明治大学法学部卒業後、司法書士試験に合格。現在は東京都港区の司法書士法人中央法務事務所にて勤務。向学心が旺盛で、研修にも積極的に参加し、法律、規則や先例など日々学んでいる。綿密に調査し堅実な仕事を行う。不動産登記、後見業務を得意とする。趣味はテニス。
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